犬は元々は肉食動物でしたが、人間と暮らすようになってからは雑食になり、色んなものを食べられるようになりました。
基本的には高品質なドッグフードと水を与えていれば問題なく生活できますが、「たまにはドッグフード以外にも愛犬が食べられるものを与えてあげたい!」と思うこともありますよね。
そこで今回は犬が食べてもいいものを、
- 野菜
- 果物
- 肉類
- 魚介類
- 穀物
に分けて紹介したいと思います。
個人的な趣味で「犬の管理栄養士」という資格も持っているのでその知識と、実際に愛犬に与えてみて感じたこともあわせて紹介していきますのでぜひ最後までご覧ください。
犬が食べてもいい野菜と実際に野菜を与えてみた感想
食べてもいい野菜や、実際に愛犬に特定の野菜を与えてみた時に感じた注意点を紹介します。
食べてもいい野菜リスト
キャベツ、レタス、白菜、小松菜、ほうれん草、ブロッコリー、にんじん、大根、カブ、チンゲンサイ、きゅうり、トマト、ピーマン、パプリカ、なすび、かぼちゃ、じゃがいも、とうもろこし、ごま
この食べてもいい野菜の中で実際に私が愛犬に与えたことのあるものは以下の通りです。
- きゅうり
- 大根
- かぼちゃ
- キャベツ
- レタス
- さつまいも
- トマト
愛犬が食いしん坊ということもあって、基本的にどの野菜も夢中になるほど美味しそうに食べていました。
かぼちゃは蒸して丸めてお団子にしておやつとして与えたり、ご飯のトッピングとしても与えることもあります。
さつまいもは干し芋をちぎって少しづつ与えていました。
トマトは最初はトマトの汁をペロペロしているだけでしたが、美味しいと気付いたら皮の部分も食べていました。トマトは丸くて飲み込む恐れがあるのでちぎって与えるのがオススメです。
一気に食べてしまわないように野菜をしっかり持ってあげてちょっとずつ与えるようにしましょう。
【実体験】野菜を与える際の注意点
野菜を犬に与える際に気を付けるポイントは以下の通りです。
野菜を与える際の注意点
- 種がある場合は取ってあげる
- 細かくカットして食べやすくする
- 野菜を手で持ってあげて、噛みやすくする
上のやり方で与えた方が、愛犬も食べやすいし、飼い主としても安心です。
また、経験として薄っぺらいものは食べにくそうだなと感じました。
キャベツやレタスなどを与えた時に口を何度もクチャクチャして噛みにくそうにしていたんです。
なのでキャベツやレタスは芯の当たりの硬い部分を与えたり、小松菜といった本当に薄っぺらいものは、食べることはできるけどあまり与えない方が無難かなあというのが正直なところです。
生と加熱どちらが良いか
多くの野菜は加熱することで消化しやすくなります。生野菜は少量であれば問題ありませんが、加熱することで消化吸収が良くなるため、特に消化器系が弱い犬には加熱して与えるのがオススメです。
加熱することで栄養の吸収も良くなります。
ブロッコリーやほうれん草は軽く茹でてから与えると良いでしょう。
犬が食べてもいい果物と実際に野菜を与えてみた感想
次に果物編です。果物は栄養たっぷりですが、その分糖分もたっぷりなので、無理に与える必要はありません。
毎日与えるとあっという間に糖分オーバーになるので、たまに、ほんの少し与えるくらいがちょうど良いと思います。
食べてもいい果物リスト
りんご、バナナ、イチゴ、みかん、グレープフルーツ、スイカ、メロン、キウイ、桃、柿、梨、栗
愛犬にはりんご、バナナ、イチゴ、みかん、スイカ、桃、キウイを与えたことがあります。
愛犬は以前はみかんはあまり好きではなかったのですが、慣れてきたのか最近は食いついてくるようになりました。
スイカはしっかり種を取ってから与えています。
果物を与える際の注意点
果物を与える際に気を付けるポイントは以下の通りです。
果物を与える際の注意点
- 種や皮を取ってあげる
- 与え過ぎない
- スーパーなどで売っている缶詰の果物は与えない
種や皮は、食べにくいのはもちろん、消化にも影響するので、しっかり取り除いてあげましょう。
果物には糖分が多く含まれているため、与え過ぎにも要注意。「ほんのちょっと」くらいの量でちょうど良いと思います。
愛犬が「ちょうだい!」とアピールしてくると、あまりの可愛さに思わずたくさんあげたくなる気持ちはわかりますがグッと我慢です。
スーパーなどで売っている缶詰の果物はシロップ漬けされていたり、砂糖てんこ盛りなことが多く、犬にとっては糖分を摂り過ぎてしまうので与えないようにしましょう。
犬が食べてもいい肉類
みんな大好きお肉編です。
我が家の愛犬も食べていいものの中で、結局お肉が1番食いつきが良いように感じます。
食べてもいいお肉の種類と部位
食べてもいいお肉
豚肉、鶏肉、牛肉、羊肉、馬肉、鹿肉、イノシシ肉
ちなみに食べても良い部位は次の通りです。
食べてもいい肉の部位
バラ、もも、ロース、ヒレ、むね、ささみ、レバー
我が家では牛肉を与えることが多いです。
お肉を与える際の注意点
お肉を与える際の注意点は以下の3つです。
- 加熱が必要
- あくまで主食はドッグフードなことを忘れない
- 骨付きの場合は骨を取っておく
順番に解説していきます。
加熱が必要
お肉は必ず加熱してから与えてください。生肉は細菌や寄生虫のリスクがあるためです。
実際に我が家でもお肉を与える時は必ず加熱してから与えています。加熱しなければいけない手間はありますが、愛犬に安全にお肉を食べてもらった方が飼い主としても安心です。
ご褒美として生肉を与えたことで愛犬の具合が悪くなったら悲しいですからね。
あくまで主食はドッグフードなことを忘れない
お肉ばかり食べているとそれだけでお腹いっぱいになって、肝心のドッグフードを食べてくれなくなります。
お肉も栄養は取れますが、栄養バランスのことを考えるとやっぱりドッグフードの方が良いです。
あくまでドッグフードが主食であることは忘れないようにしましょう。
骨付きの場合は骨を取っておく
骨付きのお肉は必ず骨を取ってから与えるようにしてください。骨ごと飲み込んでしまう可能性があるからです。
骨付きのお肉はそもそも与えないようにするのもアリです。
お肉ではないですが、以前に愛犬に骨付きのガムを与えていたら骨ごと飲み込んでしまったことがあります。めちゃくちゃ焦って(愛犬はケロッとしていましたが)診てもらったのですが、「特に何もしなくても消化されると思うからちょっとだけ様子を見てみよう」と言われてビクビクしながら数日を過ごしました。結果的に何もせずとも上手く消化してくれたのですが、こういった誤飲は尋常じゃないくらい焦るので本当に気をつけてくださいね。
私が言えたことではありませんが。
犬が食べてもいい魚介類
次に魚介類について紹介していきます。
与えて良い魚の種類
食べてもいい魚介類
サーモン、マグロ、カツオ、サバ、イワシ、サンマ、タイ、ヒラメ、
サーモンや青魚は特にオメガ3脂肪酸を豊富に含んでいるのでオススメです。
オメガ6、3脂肪酸って何?
オメガ6脂肪酸とはオメガ3脂肪酸はセットの関係です。
- オメガ6脂肪酸→皮膚の状態や毛ヅヤを良くしてくれる
- オメガ3脂肪酸→炎症を抑えてくれる
これだけ見ると「オメガ6脂肪酸だけで良いじゃん」となりますが、オメガ6脂肪酸は摂り過ぎると炎症を起こしてしまう可能性があります。
つまりオメガ6脂肪酸とオメガ3脂肪酸はバランスよく摂る必要があるということです。
サーモンを買った時はおすそ分けとして愛犬にも与えています。
生で与えるのはちょっと怖いので、軽めに加熱してから与えるようにしていますよ。
加熱してから与える
魚も基本的には加熱して与えるのが安全です。
生魚には寄生虫が含まれている可能性があるためですね。
あんまりしっかり加熱し過ぎると、それはそれで栄養を壊してしまうことにもなるので軽めの加熱がオススメです。
骨がある場合は取っておく
お肉と同様に魚も骨がある場合があるので、与える前にしっかりと取り除くことが重要です。
特に小型犬には細心の注意を払いましょう。
魚の骨はお肉よりも小さい分、見つけづらいので骨がないかよく探すようにしましょう。
犬が食べてもいい穀物
食べてもいい穀物リスト
- 炊いた米、パン、うどん、そば、枝豆、えんどう豆、麦、とうもろこし、納豆、豆乳、豆腐
たまに愛犬に納豆を与える時もあります。飼い主が納豆を食べようとすると必ずやってきて「くれるんですよね⁉︎」と言わんばかりに膝の上によじ登ってきます。
これがもう可愛くて仕方ないんですよね(親バカ)
納豆を与えるときはタレをつけず、数粒程度の量だけにすることを意識しています。
グレインフリーについて思うこと
最近ドッグフードはグレインフリー(穀物なし)をセールスポイントにしているメーカーが多いと思いませんか?
結論から言うと個人的にグレインフリーだから良いとは思いません。
もちろん、ドッグフードの第一原料(原材料表記に1番最初に書かれている原料)が穀物系だと買おうとは思いませんし、実際に愛犬が穀物アレルギーとわかっているならグレインフリーのドッグフードはありがたい存在です。
でも「とにかく穀物はダメ!」みたいな風潮には疑問を感じます。
そう感じる理由は以下の通り。
グレインフリーのホント
- アレルギー対策になりにくい
- 犬も穀物を消化できる
「穀物アレルギー対策になります!」とよく書かれていますが、これは半分正解半分間違いなところです。穀物はちゃんと対策しなければいけないほど、アレルギーになりやすいわけではありません。
上のグラフを見れば分かる通り、アレルギー対策と言うのならまずは牛肉や乳製品、鶏肉の対策をしなければいけません。
また、以前は犬はオオカミが祖先だから穀物を消化できないと言われていましたが、長い間、人間と暮らす生活を続けていくことで肉食から雑食に進化してきました。そして近年の研究結果では穀物も問題なく消化されることがわかっています。
ホントに難しいところで、「グレインフリーがダメ!」と言いたいわけでもないんです。ただ、「ちゃんと愛犬のことを考える飼い主ならグレインフリーを選ぶべき!」みたいな風潮はどうなんだろうなあと思います。
特別な理由がなければグレインフリーにこだわる必要ありません。
その他に犬が食べてもいいもの
その他に犬が食べていいものは次の通りです。
- 卵、海苔、わかめ、ひじき、昆布、米麹の甘酒
愛犬には米麹(こめこうじ)の甘酒を与えることがあります。
愛犬が食いしん坊すぎて、もはや何でも食べるんじゃないかと思えてきました。
甘酒を与える時の注意点は以下の通りです。
甘酒を与える時の注意点
- 甘酒は糖分が多いので与え過ぎに注意
- お米アレルギーの子には与えない
- 酒粕(さけかす)の甘酒はアルコール成分が入っているので絶対に与えない
犬が食べていいのは米麹の方の甘酒です。酒粕の方の甘酒は与えないようにしましょう。
米麹と酒粕がどっちかよくわからない場合は、甘酒自体を与えないようにするのもアリかなと思います。
犬が食べてはいけないもの
ここまでは犬が食べていいものを紹介してきましたが、逆に犬が食べてはいけないものも紹介したいと思います。
犬に与えてはいけない食べ物
チョコレート、ナッツ、ココア、ブドウ、レーズン、キシリトール、カフェイン、ニンニク、ネギ類、アボガド、アルコール、生の卵白、人間用の牛乳、イカやエビなどの魚介類
こんなエラそうに色々語っていますが、以前愛犬に、机に置いてあったエビを盗み食いされたことがあります。
一応そのエビは加熱された後のものだったので大事には至りませんでした。
食べてはいけないものだとわかっていても目を離した隙に愛犬が食べてしまう可能性があることには細心の注意を払う必要があります。
愛犬にエビを盗み食いされた以降は机にバリケードを貼ってつかまり立ちできないようにしました。
超アナログですが、このバリケードを作ってから愛犬に盗み食いされることは無くなりました。
手作りごはんは正直オススメしない
「愛犬のことを想って」「愛犬のことが大好きだから」などの素晴らし過ぎる理由で手作りごはんを作る人もいます。それ自体はお世辞抜きで尊敬しますし、本当に愛犬のことが好きなんだなというのが伝わっています。ただ、正直手作りご飯はめちゃくちゃ難しいです。
すでに犬の栄養学と、与える食べ物の栄養成分をバッチリ理解している人は大丈夫ですが、理解していない人はまずは勉強しまくってください。それで「勉強は苦手だなあ」と感じる人はドッグフードを与えた方が無難です。
手作りご飯の本もぶっちゃけ微妙なところで、犬に必要な栄養素を満たせていないレシピが大量にあったという調査結果もあるんですよね。
外部サイト→【手作り食を作っている方必見!】獣医監修「犬の手作り食レシピ本」を栄養分析してみた
もちろん全ての手作りご飯の本がダメと言いたいわけではありませんが、そういった栄養素を満たせていない本を掴んでしまった時のリスクを考えると「オススメはできないかなあ」というのが正直なところです。
せっかく手作りご飯を作ろうと思っていたなら申し訳ないです。ただ、「愛情を込めて手作りご飯を作っていたのに、実は愛犬にとって栄養をきっちり取れていなくて体調を悪化させていた」なんてことが起こったらめちゃくちゃ悲しいと思うのであえてストレートに言わせていただきました。
手作りご飯を毎日作るのは大変なはずなのに、それでも愛犬のために作ってあげようと思える人は本当に尊敬します。
よくある質問と対処法
ここでは愛犬がご飯を食べない時の対策と、1日のご飯の回数について紹介します。
愛犬がご飯を食べない時の対策
前提としてここで紹介する「愛犬がご飯を食べない時の対策」は飼い主ができることです。体調が本当に悪い場合はすぐに診てもらってください。
ご飯を食べない時に飼い主ができる対処法は以下の通りです。
- ドッグフードを変える
- ドッグフードをふやかす
- トッピングを追加する
- 運動量を増やす
- おやつを減らすか与えない
- ご飯を与える場所を変える
- ドッグフードの保管方法を見直す
- 愛犬のストレスを減らす
我が家では納豆パウダーをトッピングしたりして飽きないように工夫しています。
1日のご飯の回数はどのくらい?
1日にご飯を与える回数は子犬は3回に分けて、成犬以降は2回に分けて与えるようにしてください。
成長段階 | ご飯の回数 |
子犬 | 3回 |
成犬以降 | 2回 |
子犬のご飯を3回に分けるのは、1回で食べられる量が少ないことや、成長段階であることからたくさんのエネルギーを必要とするためです。
成犬以降は朝と夜の2回に分けましょう。
実際に我が家の8歳の愛犬にも朝と夜の2回に分けてご飯を与えています。
ちなみに1日のご飯の回数が1回だと、
- 一気に多くの量を食べることになるので胃に負担がかかる
- お腹が空きすぎて体に悪影響
- お腹が空いていたので焦って食べて喉に詰まる可能性が高まる
- ご飯の楽しみが少なくなる
といったデメリットがあります。
1日複数回に分けてご飯を与えるようにしましょう。
色んなものを食べる愛犬を写真や動画に収めておこう
犬が食べていいものをまとめると以下の通りです。
キャベツ、レタス、白菜、小松菜、ほうれん草、ブロッコリー、にんじん、大根、カブ、チンゲンサイ、きゅうり、トマト、ピーマン、パプリカ、なすび、かぼちゃ、じゃがいも、とうもろこし、ごま、りんご、バナナ、イチゴ、みかん、グレープフルーツ、スイカ、メロン、キウイ、桃、柿、梨、栗、豚肉、鶏肉、牛肉、羊肉、馬肉、鹿肉、イノシシ肉、サーモン、マグロ、カツオ、サバ、イワシ、サンマ、タイ、ヒラメ、炊いた米、パン、うどん、そば、枝豆、えんどう豆、麦、とうもろこし、納豆、豆乳、豆腐、卵、海苔、わかめ、ひじき、昆布、米麹の甘酒
これを見ると犬は本当に色んなものを食べることができるんだなって思いますよね。
経験上、愛犬が上のような食べ物を美味しそうに食べる姿は、本当に癒されるのでぜひ写真や動画に収めておくことをオススメします。
「あの時こんな食べ物与えたなあ」「この頃はまだ小さいなあ」と色々思い出になるはずです。
あまりの可愛さについ与え過ぎないように気をつけてくださいね。