- どんなご飯を与えたら良いの?
- 手作りご飯とドッグフードならどっちが良いかな
- 与えてはいけない食べ物をチェックしておきたい
- とにかく愛犬には長く元気でいてほしい
今回はそんな人に向けて、実際に犬を飼っている経験や、「犬の管理栄養士」という資格を元に、犬の食事について知っておかないと危険なポイントについて解説します。
愛犬がご飯を食べている時の可愛さは異常(親バカです)
犬の食事が重要な理由
「そもそも犬の食事ってそんな大事なもんなの?」と思われるかもしれませんが、犬の食事は一生を左右するくらい重要です。
犬の食事が重要な理由
- 日々の体調の安定に関わる
- 毛並みや毛ヅヤに影響する
- 体重管理に影響する
- ストレスに影響する
- 飼い主との信頼関係に影響する
粗悪なものを食べさせていると、愛犬は元気がなくなり、仲良くなるどころの騒ぎではなくなってしまいます。
特にドッグフード選びや、手作りご飯のやり方によっては、きっちり栄養を取れない状態で育ててしまうことになるので要注意です。
ドッグフードと手作りご飯ならどっちが良いの?
結論、犬の栄養学についてカンペキな知識があるなら手作りご飯、知識がないならドッグフードを選んでください。
なんだか冷たい言い方になってしまいましたが、やっぱり愛犬には長く元気でいてほしいですし、飼い主としても「良かれと思って手間暇かけてやっていたことが逆効果だった!」なんてことが起こっていたら悲し過ぎるのであえて強めに書かせていただきました。
以下から、
- 手作りご飯を与える難しさ
- ドッグフードの業界の良くないところ
- その中でもオススメのドッグフード
について紹介していきます。
手作りご飯を与えるのが難しい理由
手作りご飯は、
- その日の愛犬の体調や体型によって自由にご飯を変えられる
- 新鮮な食べ物を与えられる
などのメリットはありますが、
- 犬に与えて良いもの悪いものを知る必要がある
- 食べ物の栄養の知識が必須
- 作るのに時間がかかる
- 一食あたりの価格が高くなりがち
といったデメリットもあります。
要は手作りご飯はハードルが高いということですね。
手作りご飯の本も過信しないで
「手作りご飯の本のレシピを見て作っているから大丈夫」と思うのもわりと危ないんです。理由は手作りご飯の本の栄養を分析した結果、必要な栄養素が全然満たせていないレシピがたくさんあった、という調査があるからです。
外部サイト→【手作り食を作っている方必見!】獣医監修「犬の手作り食レシピ本」を栄養分析してみた
もちろん、全ての手作りご飯の本がダメと言いたいわけではありませんが、「こういう本もそれなりにあるんだな」と把握しておくことも愛犬との生活において大切だと思います。
手作りご飯を与えたいなら、かなりの勉強量が必須です。「勉強は苦手だなあ」と思ったらドッグフードにしておいた方が良いでしょう。
「せっかく手作りご飯を作ろうと思ってたのに」と思わせてしまったら申し訳ないです。
お世辞抜きで「愛犬のために手作りご飯を作ってあげよう!」と思う気持ちは本当に素晴らしいと心から思っています。
ドッグフード業界の良くないところ
「手作りご飯は思ったよりも大変そうだから、無難にドッグフードにしよう!」と思わせてしまった上でこんなことを言うのもおかしな話ですが、ドッグフードはドッグフードで結構闇が深いんですよね。
ドッグフードは思っている以上に粗悪なものが多いです。
まともな物少な過ぎだろって感じですよね。
ドッグフード業界の良くないところは次の3つです。
ドッグフード業界の良くないところ
- 栄養バランスが悪いのに価格が高すぎるものが多い
- 原材料の表示の仕方
- ウェットフードの成分表示
栄養バランスが悪いのに価格が高すぎるものが多い
値段が高い=栄養バランスが良いドッグフードとは限りません。とはいえそもそもドッグフードの知識がないとドッグフードの良し悪しの判断もできないんですよね。
例えば以下のようなドッグフードを見た時にあなたはどう感じますか?
ドッグフードの成分表
タンパク質15%以下、脂肪20%以上、粗繊維1%以下、灰分2%以下、水分8%以下、エネルギー(100gあたり)483kcal
これを見て「何が悪いのかわかんないんですけど」と感じる人はドッグフード選びを間違えている可能性が高いです。
15%や20%といった数値だけでなく、粗繊維はざっくり言えばお腹の調子を整えるもの、灰分はミネラルのことなど、成分の中身についても知っておくと良いと思います。
もちろん犬によってドッグフードの合う合わないはあります。ただ、「この成分表の数値では愛犬の体調に影響が出そうだな」とわかる程度の勉強はしておかないと、知らないうちに粗悪なドッグフードを選んでしまう可能性があることは理解しておきましょう。
原材料の表示の仕方
ドッグフードの原材料の表示は、入っている原料の多い順に記載しなければならないルールがあります。ですが原材料の割合を「%」で表示するルールはありません。
実際に多くのドッグフード(特に日本製)はメインの原材料ですら「%」で表示していないんです。
これの何が悪いのかというと、例えば原材料表記が上から「鶏肉、大麦・・・」となっていれば鶏肉がメインのドッグフードであると思ってしまいますよね。でも「%」で表記してみると「鶏肉30%、大麦29.9%」だった場合はどうでしょうか。「鶏肉がメインのドッグフードだ」と思っていたら実際は「鶏肉と大麦がメインのドッグフードだった!」ということです。
このように原材料を「%」で表記してくれていないと勘違いが起きてしまう要因になります。とはいえ全ての原料を「%」で表記しているドッグフード自体が滅多にないのが現状なので、メインの原材料をしっかり「%」表記しているドッグフードを選ぶだけでも、粗悪なものを掴まされる可能性は低くなると思います。
ウェットフードの成分表示
ウェットフードってタンパク質がやたら少ないなって思ったことありませんか?あれにはワケがあります。
ドライフード(一般的なドッグフード)の成分は「ドライ」という名前の通り、乾いた状態で計算されてその数値を表示していますが、ウェットフードはぬれた状態(文字通りウェットな状態)で成分の計算をされてその数値が表示されています。
- ドライフード→乾いた状態で成分計算
- ウェットフード→ぬれた状態で成分計算
問題なのが、乾いた状態とぬれた状態では水分量が異なるので正しい成分比較ができないことです。なので正しい成分比較をするためにはウェットフードの成分を乾物換算する必要があります。
乾物換算の式
(タンパク質)÷(100-水分)×100
例えばとあるウェットフードのタンパク質が10.5%、水分が74.5%だった場合に上の式を当てはめると、タンパク質は41.2%になるんです。成分表示を見れば10.5%だったものが、ドライフードと同じ状態にして計算し直すと41.2%です。
これを知らない状態でウェットフードを与えていると、どう考えても愛犬の体に影響するのは言うまでもありません。
「ウェットフードはタンパク質が低いからたくさんあげなきゃ!」と勘違いしないように、本当に、ほんっとうに気をつけてくださいね。
オススメのドッグフード
結論、私が思うオススメのドッグフードは「モグワン」と「おさかな」の2つだけです。
実際に私はモグワンとおさかなを愛犬に与えています。
先ほどはドッグフードの悪いところを紹介してきましたが、モグワンとおさかなに関しては、
- 原材料
- 栄養バランス
- 会社の姿勢
どれをとっても高レベルでまとまっています。
モグワンはネットの広告色が強いので「胡散臭いなあ」「なんか怪しくない?」と思うのも無理はありませんが、メインの原材料をきっちり「%」表示してくれていたり、成分バランスも良かったりと、ドッグフードの中身に関してはちゃんとしているんですよね。
また、おさかなを作っている会社は元々はかつお節がメインのメーカーでしたが、魚がメインのドッグフードを作るためにゼロから自社工場を作って、その上で原材料や成分のバランスの良いドッグフードも作れるという、実績もありながら、真面目に取り組める企業となっています。
おさかなは国産なので「やっぱり国産が安心」という人にも向いています。
もちろんドッグフードには合う合わないがあります。「モグワンとおさかななら絶対どんな犬にも合うはずです!」なんて言ったらそれはウソです。ウソをついたところで、可愛い犬のためにもなりませんし、飼い主としても逆にドッグフード選びに迷うだけでしょう。
ただ、モグワンとおさかなの「中身」については自信を持ってオススメできます。
- 「愛犬の食事は何を与えれば良いかよくわからない」
- 「ドッグフードはパッケージの見た目や値段で決めている」
そんな人はモグワンとおさかなを試してみてください。
あくまで個人的な思いですが、ドッグフード選びには絶対失敗してほしくないんですよね。
犬の食事をふやかすメリットと注意点
上で紹介した通り私は愛犬に、モグワンとおさかなを与えているのですが、愛犬が食いしん坊すぎて焦って食べるタイプなので、喉に詰まるのを防ぐためにいつもふやかしてから与えています。
ドッグフードをふやかすメリットは以下の通りです。
ふやかすメリット
- 喉に詰まりにくくなる
- 消化吸収が良くなる
- 満腹感が高まる
- 香りが増すので食欲をそそる
- 水分補給になる
早食いの子や、食欲がイマイチな時は試しにふやかしてみると良いでしょう。
このようにふやかすこと自体は悪くないのですが、ふやかし方が悪いと栄養が損なわれてしまうというデメリットもあります。
ふやかす時の注意点は以下の通りです。
ふやかす時の注意点
- 熱湯でふやかす
- ふやかした水分を捨ててから与える
エラそうに書いてますが、このふやかし方は以前私がやってしまっていたことです。
熱湯でふやかす
以前は「熱湯の方がふやけやすい」と思ってドッグフードを熱湯でふやかしていました。でも熱すぎるお湯はドッグフードの栄養を壊す可能性があるんです。
私は栄養素を壊すことを知った時「なんてことをしていたんだ」と落ち込みました。
せっかく高品質なドッグフードを買っても自分から栄養を壊しているのでは、そりゃあ愛犬は守れませんよね。
今ではぬるま湯(約40度くらい)を使ってドッグフードをふやかすようにしています。
ちなみにふやかす時間は30分くらいです。
ふやかした水分を捨ててから与える
これも「やってしまっていたなあ」と思う失敗なんですが、ふやかそうと思うとある程度のぬるま湯が必要なんです。
なのでドッグフードを入れた食器にざっくりとぬるま湯を入れていたのですが、そうなるとふやけた後はドッグフードが水分を吸収したのもあれば、吸収しきれずに食器にぬるま湯がたまるものもあったんです。
「水分がたくさん残っている状態だと食べづらいよね」と思って食器に残った水分を捨ててから愛犬に与えていたのですがこれが間違いでした。
間違っていた理由は、ふやかした時に食器の下に残った水分にも栄養が含まれているからです。
愛犬に良かれと思って水分を捨てていたら、それが愛犬のためどころか良くないことをしていた。まあ〜反省ですよね。ホントに私は失敗からしか学べないんでしょうか。
話を戻しますが、対策としてふやかすためのぬるま湯の量を計量カップで測るようにしました。その結果、今ではドッグフードは良い感じにふやけて食器に残るぬるま湯の量もほとんどなくなりました。
もしふやかす時は私のような失敗をしないようにしてくださいね。
犬に与えてはいけない食べ物
犬の食事において、与えてはいけない食べ物を知っておくのも超重要です。
以下から犬に与えてはいけない食べ物を紹介します。
与えてはいけない食べ物の例
チョコレート、ナッツ、ココア、ブドウ、レーズン、キシリトール、カフェイン、ネギ類、アボガド、アルコール、生の卵白、人間用の牛乳、イカやエビなどの魚介類
もしこれらの食べ物を食べてしまった場合は専門家に見てもらうようにしてください。
余談ですが、私はここでも失敗していて、料理中にリビングの机に置いておいたエビを愛犬に盗み食いされたことや、おやつとして与えていた骨付きのガムを骨ごと丸呑みされて、尋常じゃないくらい焦ったことがあります。(愛犬はケロッとしていて、先生にもみてもらって、結果的には特に何もせずともそのまま上手く消化されて特に問題は起こりませんでした)
私のバカ加減もいい加減にしろという話ですが、何が言いたいかというと、犬に与えてはいけない食べ物を把握していても、愛犬の届く範囲に危ない食べ物が置かれていると盗み食いされる可能性や、ガム系は丸呑みされるリスクがある、と言うことです。
実際に調べてみると、「愛犬が食べてはいけないものを食べてしまった!」「ガムを丸呑みしちゃった!」みたいなことって案外多いんですよね。
もちろん「だから良いんだ」というわけではありませんが。
今の私がやっている対策は次の通りです。
愛犬の食べ物トラブル対策
- リビングの机に愛犬がつかまり立ちできないようにバリケードを立てる
- ガムをそもそも与えないか、ガムを与えている時は愛犬の目を離さず、ガムが短くなってきたらかなり早めに新しいものと交換する
犬に与えてはいけないものを把握した上で、トラブルが起こらないような対策もしておくとより安心だと思います。
1日の食事の回数と与える時間帯
1日の食事の回数は、基本的に子犬は1日3回、成犬以降は1日2回にしてください。
成長段階 | ご飯の回数 |
子犬 | 3回 |
成犬以降 | 2回 |
子犬のご飯の回数が多いのは、消化能力が未発達であることや体が小さい分、1回で多くのご飯が食べられないためです。
成犬は1日2回の食事が一般的ですが、愛犬の運動量や体調に応じて調整しましょう。
食事を与える時間帯は1回目のご飯から12時間後くらいが目安です。
私はだいたい朝の7時と夜の7時に愛犬にご飯を与えています。
12時間あける理由は犬の消化にかかる時間が12時間だからです。
ただ難しいところはご飯を与える時間をきっちり決めてしまうと、
- ご飯時間になると愛犬が吠える癖がついてしまう可能性がある
- ご飯の時間になってもご飯が用意されない場合に愛犬がストレスを感じてしまう
といったデメリットがあることです。
なので、あえてご飯の時間はビシッと決めずにある程度幅を持たせておくのがオススメです。
同じドッグフードに飽きることはない?
結論、同じドッグフードを与えていても飽きることは「基本的には」ありません。
「基本的には」とした理由は、
- 与えたご飯を食べなかった場合でも食べるまで放置している
- ドッグフードを変える頻度が高すぎる
- おやつなどを与えすぎている
といった場合に愛犬は「飽きる」というか「今食べなくてもいいや」「今我慢すればもっと美味しいものをもらえる」と学習している可能性があってそれが飼い主からみると飽きているように見えるのかなと思います。
私の愛犬は元々食いしん坊なこともあってドッグフードに飽きることは今のところありませんが、万が一飽きがこないようにするためや、ずっと同じものしか食べられないのもなんだかなあという思いから以下の対策を取っています。
飽きさせない対策
- ドッグフードに納豆パウダーなどのふりかけをかける
- ドッグフードをふやかして匂いを強くする
- 野菜などをトッピングする
- ノーズワークマットを使って楽しく食べてもらう
まずはふりかけをかけることから試してみましょう。
愛犬が食事しない場合の対処法
前提としてここで紹介する内容はあくまで飼い主の範囲内でできる対処法です。愛犬の状態が良くない場合は、すぐに詳しい人に見てもらうようにしてください。
愛犬がご飯を食べてくれない場合の対処法は以下の通りです。
- ドッグフードを変える
- ドッグフードをふやかす
- トッピングを入れてみる
- 散歩の時間を増やす
- おやつを減らすか与えない
- ご飯を食べる場所を変える
- ドッグフードの保管が適切かチェックする
- 生活環境を見直す
ドッグフード自体に問題がある場合もあれば、散歩の時間が少なくてお腹が空かない、運動量が少ないことによるストレスなどご飯を食べなくなる理由は様々です。
ドッグフードの保存状態が悪くて風味が落ちていたり、部屋の暑い寒いなどによっても、食欲に関わるので注意しましょう。
美味しそうにご飯を食べる愛犬にたくさん癒されよう
今回の内容をまとめると以下の通りです。
- 栄養学についての知識が豊富で犬に与えられるものを熟知しているなら手作りご飯もアリ
- 知識がなく、勉強も苦手ならドッグフードの方が無難
- ふやかす時はぬるま湯を使って、フードが吸収しきれなかった水分は捨てない
- 愛犬に食べ物を盗み食いされないように対策する
- ガムは丸呑みされる可能性があるので注意する
- 1日の食事の回数は子犬は3回、成犬以降は2回が基本
- 同じご飯に飽きさせないように工夫する
- ご飯を食べてくれない場合はトッピングを追加したり、散歩の量を増やすなどの対策をしてみる
愛犬がご飯を夢中で食べている姿ってめっちゃくちゃ可愛いですよね。
写真や動画を撮りまくって気づけば容量オーバーになったこともあります(親バカ)
犬の食事は愛犬の一生を左右すると言っても過言ではありません。
私は正しくご飯を与えて愛犬とずっと元気に仲良く暮らしたいです。
この記事が少しでも参考になっていれば幸いです。